アカデミー賞で苦戦する野球映画ながら見事アカデミー賞作品賞にノミネートされた『マネーボール』を今回はご紹介します。かなり学びの多い映画です。
□映画紹介:マネーボール理論を使って野球に勝つ!
各種の統計から選手を客観的に消化するセイバーメトリクスという理論を用いて目利きより数字でチーム補強をしていったビリー・ビーンとピーター・ブランドの奮闘物語が『マネーボール』です。実話をベースとしています。野球映画でチームが強くなっていく過程はなかなかエキサイティングですが、論理の映画だけあって学びの多い映画です。
セイバーメトリクス、マネーボール理論は賛否があります。ただ世の中は良くも悪くも数字でできているのでその数字と客観的に評価して物事を進めていく過程はとても知的で面白いです。
ブラッド・ピットとジョナ・ヒルのタッグが絶妙で娯楽要素もしっかり含み、ブラッド・ピット演じる主人公と娘の心の交流が感動を呼び最後はほろりとさせられる素晴らしい作品です。
□学べること:映画の論理的演出そのもの
この映画で学べることはマネーボール理論だけではありません。数字の有効活用という側面はもちろん学びに値するのですが、この映画は「映画の論理的演出そのもの」が学びとなります。要するに論理的説明能力です。私は野球はテレビで見る程度でルールくらいしか知りません。どのように選手補強をしてどのようなメンバーにしたら勝てるかなどはわかりません。
しかし、この映画は理解できるのです。そう、物語を人物関係含め説明しながら論理説明もしっかりとしているんですね。
本作の監督はベネット・ミラーという方で『カポーティ』と本作で2作品連続でアカデミー賞作品賞候補入りしています。『カポーティ』もそうでしたが、下手な説明っぽさを見せずにスムーズに説明をしていく演出が絶妙なんですよね。その映画の演出そのものを学ぶことができます。
コラムやレポート記事を書くにしても、プレゼン等で喋るにしても、相手に言葉を理解させながら進めていくのは簡単に見えて難しいことだったりします。
『マネーボール』はこれでもかと理論を理解させながらストーリーを進めていきます。増してその理論は数字を扱うマネーボール理論。とても学びの多い映画です。
映画的にも面白いので是非一回ご覧になってみてはいかがでしょうか。
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